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教育が未来を拓く:ケニア農村部の若い女性たちの成功ストーリー
国際女性の日を祝して、勇気と決意を持ち、未来を切り拓いていくすべての女性と少女たちに敬意を表します。

特にケニアの農村部では、今もなお女性や少女たちがさまざまな困難に直面し、教育の機会を十分に得られない現状があります。貧困や社会的な価値観、さらには危機的な状況が、少女たちの教育の道を阻み、その結果、人生の選択肢が狭まり、貧困の連鎖が続いてしまいます。教育のジェンダー平等を実現することは、より公平で豊かな未来を築く鍵となります。

教育を受けることで、少女たちはより良い雇用機会を得ることができ、社会での立場も強化されます。女性の経済的な自立や起業、労働市場での活躍を支援することは、単に男女格差を縮めるだけでなく、社会全体や経済に根本的な変革をもたらします。女性が成功すれば、地域全体が活性化し、その恩恵は社会全体に広がります。
2020年、私たちはケニアの小さな村 マコンゲニ に「カレワラトレーニングセンター(KTC)」を設立しました。ここでは、コンピュータスキル、洋裁、サロン&ヘアスタイリングの3つのプログラムを通じて、少女や若い女性たちに無償で教育の機会を提供しています。国際女性の日を記念して、私たちはKTCの卒業生3名にインタビューを行い、教育が彼女たちの人生にどのような影響を与えたのかを聞きました。

ヘアスタイリストとしての起業への道
私は8人兄弟の2番目として生まれました。小学校を卒業した後、家族が経済的に支えることができず、中等教育を受ける機会を持てませんでした。両親は教育こそが未来の基盤だと考えていましたが、資金の問題で進学は叶いませんでした。それでも、私たちは何か方法があるはずだと探し続け、カレワラトレーニングセンター に出会いました。初めてKTCを訪れたときのことは、今でもよく覚えています。「もしかしたら、ここならすべてが可能になるかもしれない」 そう感じたのです。
その日が、私の新たな人生の始まりでした。私はKTCでサロン&ヘアスタイリングを学び、現在は自分のサロンを運営するヘアスタイリストとして独立しています。小さなスペースを借りて、お客様のヘアスタイリングを提供し、関連する製品も販売しています。起業の道は決して平坦ではありませんでしたが、少しずつビジネスを成長させ、今では2人の若者を雇用するまでになりました。彼女たちもまた、ヘアスタイリングのトレーニングを修了した人たちです。お客様からの好評なフィードバックが、私のモチベーションになっています。さらに、起業家として成功するためには幅広いスキルが必要だと気づき、現在はメイクアップ技術にも挑戦しています。」
— Sofia Nanzugu(ソフィア・ナンズグ)22歳 KTC卒業生

デジタルスキルを活かした就職
私は常に、新しいスキルを身につけることが重要だと考えてきました。それが、安定した経済的自立を実現する最善の方法だと思っていたからです。また、今の時代において、デジタルスキルは就職の鍵となると確信していました。カレワラトレーニングセンターで無償のITトレーニングを提供していると知り、すぐに申し込みを決めました。それまで私は、数回しかコンピュータを使ったことがありませんでした。トレーニングでは、Microsoftソフトの操作やインターネットの活用方法、さらにはプリントやコピーの技術まで学びました。
当初は、これらのスキルをどのように活かせるのか分かりませんでしたが、卒業後すぐにデジタルスキルが求められていることを実感しました。現在、私は投資会社でクレジットスペシャリストとして働いており、データ管理、帳簿作成、公式文書の作成、プリント・コピー業務など、KTCで学んだスキルを日々活用しています。」
— Charity Mueni(チャリティ・ムエニ)26歳 KTC卒業

ファッション起業で家族の生活を支える
私が高校に入学したばかりの頃、父が亡くなり、経済的な理由で学校を辞めざるを得ませんでした。母には学費を支払う余裕がなく、私は2年間、自宅で過ごしました。その後結婚し、子どもを授かりましたが、苦しい時期が続きました。それでも私は諦めず、可能性を探っていました。
そんな時、カレワラトレーニングセンターのことを友人から聞き、すぐに入学を決意しました。KTCではファッションの資格を取得し、起業プログラムにも参加しました。現在、私は自分の仕立て屋を経営し、家族を支えています。オーダーメイドの洋服を仕立てるだけでなく、既製品の販売も行っています。学校の制服などを定期的に注文してくれる常連のお客様も増えました。」
— Maimunah Atiba(マイムナ・アティバ)25歳 KTC卒業

カレワラトレーニングセンター:教育を通じて女性を支援
教育は、少女たちの人生を変え、彼女たちにとってかけがえのない価値をもたらします。また、有害なジェンダーステレオタイプを打破し、未来を切り拓く力を与える手段でもあります。
少女や女性への教育投資は、地域全体の発展につながります。教育を受けた女性は、自らの生活環境を改善するだけでなく、新たな視点を社会にもたらし、健康を促進し、経済的自立を強化し、社会正義にも貢献します。すべての女性が教育を受けることは、より平等で持続可能な社会への一歩なのです。
Home street Homeの創設者、Viola Wallenius(ヴィオラ・ワレニウス)が、カレワラトレーニングセンターでの日常生活と、その活動が地域の女性たちの起業家精神に及ぼす影響について語ります。
記事著者: Viola Wallenius、マコンゲニ、ケニア