Journal
「わたしたちのジュエリーがフィンランドで手作りされていると聞くと、ほとんどの人が驚きます。」
Taru Harmaala Chaloff
(タル・ハルマーラ・シャロフ)
金細工職人・デザイナー
「わたしはフィンランド西部にあるオストロボスニア地方の、あらゆるものを自分たちの手で作る、古い工芸品の伝統を大切にしてきた家庭で育ちました。壁掛けや家具などはすべて手作りでした。母の叔父がフィドルを作っていたのですが、わたしは作業場に忍び込んではノミやカンナを試していました。幼いわたしにはとても魅力的に見えたのです。
母がよくLapponiaのジュエリーを身に着けているのを見ていて、ジュエリーは芸術作品でもある、と思うようになりました。金細工職人になったのは、この仕事がアートとクラフトマンシップの融合だったからです。」
わたしはカレワラで金細工職人、そしてモデルメーカーとして働いて14年になります。カレワラのジュエリーができるまでにどれほどの職人技が必要かということ、そしてそもそもフィンランドで作られているということに驚く人が多いです。
何世紀にもわたるジュエリー製造の技術や伝統を次の世代へ引き継いでいくことを、わたしたちはとても大切にしています。ジュエリーをデザインしたり作っているときに常に意識しているわけではないのですが、そういうものなんです。
「現代を力強く生きる"カレワラ"女性は、大胆で自信にみちた冒険家であり、思いのままに生きることを恐れることはありません。」
- Taru Harmaala Chaloff
模型製作の仕事では、あらゆるアーティストたちと共同制作します。アーティストたちがわたしたち製品開発部門に持ち込んだアイデア、スケッチ、プロトタイプなどをベースに、彼らとアイデアを練っていって、最終的にカレワラのジュエリーとして実現するのがわたしの仕事です。わたし自身もデザイナーなので、アーティストとのコミュニケーションが取りやすいと感じます。 カレワラコレクションのうち、HaltijaとLouhetarシリーズは私のデザインです。
自然は私にとって常に大きな意味を持ってきました。わたしがデザインした最新のジュエリー シリーズは、自然と消えゆく花からインスピレーションを得た Nolla革新的で全く新しい種類のバイオマテリアルを素材として見つけたとき、すべてはうまくいきました。
通常約半年ほどかけて、アーティストたちと一つのジュエリーデザインにとりくみます。アーティストが望むとおりの構造や表面、形などを実現するのは難しいことも多々あります。アーティストの思いを汲むのと同時に、商品となるジュエリーは連続生産できなければいけないことを心に留めておく必要があるからです。例えば、 haloのJukka Puljujärvi氏デザインしたTundra、彼が望む複雑な形状を実現するため、3Dテクノロジーを駆使して何か月も作業を行いました。アイデアはとても大胆で、できあがったジュエリーも本当に素晴らしいもので、わたしはこのプロジェクトに夢中になりました。
ひとつのジュエリーが出来上がると、わたしはいつも長い時間をかけてそのジュエリーを隅々まで堪能します。そのときの幸福感といったら。例えばある種の留め具を作ったとしたら、何度もつけはずしをして、留め具がたてるカチッという音に聞き入ったりします。
引退して工芸に携わらなくなるなんてとても考えれません。この仕事がわたしにくれる感情は何にも代えがたい素晴らしいものです。
Taru Harmaala Chaloffと、自然との強い関係を示す彼女がデザインするジュエリーについて知りましょう。タル ハルマーラ チャロフと、自然との強い関係を示す彼女がデザインするジュエリーについて知りましょう。
「アート、専門知識、ストーリーが素晴らしく融合しています。」
Mari Wilenius
(マリ・ウィレニウス)
ジュエリー専門家、フラッグシップストアスタッフ
「以前はオークションの世界でジュエリー専門家として働いていました。2017年に個人事業主としてアートとジュエリーの鑑定会社を立ち上げましたが、同僚がいないことが寂しく感じられました。カレワラ・コルは、アート、専門知識、それにストーリーがすべて素晴らしく融合していて、ジュエリー業界で最も興味深い会社に思われました。
カレワラの伝統は、すべてのお客様との出会いの中で感じることができます。わたしたちはお客様とジュエリーについて、そしてそれがもつ物語、デザイン、そして歴史についてたくさん話します。観光客の方はジュエリーの多くが考古学的発見や民俗装飾品がベースになっていることに驚き喜ばれます。確かに、まるで国宝みたいなジュエリーも多くありますから。
海外のお客様はとくに、北欧の自然のエキゾチックさにも感銘を受けるようです。フィンランドの自然は独特で、その落ち着きと静けさはかなり多くのジュエリーに反映されています。
「毎日誇りをもって仕事に行っています。自分の仕事に興味を持っているふりなんて、全くする必要がありません。」
わたしのお気に入りのデザイナーはBjörn Weckströmで、ジュエリーについてはたくさんの知識と経験があります。彼の作品のタイムレスで控えめなところ、そして力強いデザイン言語と確固としたモニュメンタルさにとても惹かれています。また、多才なデザイナーであるKirsti Doukas深い敬意を抱いています。彼女のジュエリーに込められた物語は非常に深く、慎重に考え抜かれたもので、力強いカレワラの物語が現代のことばで語られています。歴史のなかで、会社とブランドは常に変わり続けてきました。その物語をつぎの数十年に引き継いでいく役割を担うのはとても興味深いことです。
わたしのジュエリーへの愛は、子どものころに始まりました。母はコンテンポラリー・ジュエリーに興味をもっていて、1950年代から1960年代に作られた印象的なジュエリーをよく身に着けていました。
89歳になった今でもそうです。わたしが子どものとき、ゴッドマザーが毎年カレワラのジュエリーをプレゼントしてくれました。10歳の時にもらったブレスレットなど、今でも着けているものもあります。ブレスレットはラトビアの伝統的なオーナメントと幾何学的なデザインが組み合わされたものです。ジュエリーの使い方はわたしはどちらかというと控えめですが、でもジュエリーがスタイルの仕上げとなり、一日を気持ちよくハッピーに過ごせるようなムードを作ってくれます。
毎日誇りをもって仕事に行っています。自分の仕事に興味を持っているふりなんて、全くする必要がありません。」
Sari(サリ)28 年以上の経験をもつ金細工職人、ジュエリー職人
「このような長寿の企業には、何十年にもわたり膨大な数のジュエリー製造の専門家がいました。自分もこれらのジュエリーの製作と開発に携わることができたというのは、素晴らしいことです。」
Written by Gut Studio