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シンボルの魔法
すでに85年を超える歴史をもつカレワラのジュエリーづくり、それは私たちの先祖が太古の昔に使った装飾品への情熱にインスパイアされたもの。カレワラのジュエリーには古代装飾のもつタイムレスな美とそれにまつわる伝承が呼び覚され、現代に通じる新しい解釈。
太古の人々にとって、ジュエリーは単に美しいだけのものではありませんでした。何かのメッセージや意味を伝えるものだったり、身につける人の財産や社会的地位、配偶者の有無をも示したりしていました。 鉄器時代の大屋敷のおかみさんは、その指や手首に優美なブロンズのリングを、胸元には豪華なチェーン状の装飾を身につけていました。名家のおかみさんともなるとシルバーやゴールド製のジュエリーを身につけ、その富の大きさを表現していました。 現代の西洋文化では世俗的な財産をジュエリーによって直接見せつけるようなことはしません。それでも十字のペンダントや左手の薬指にはめる指輪のように、強く誰もが理解できるシンボリズムを持つものは少なくありません。
Suomen esihistoriallisissa korulöydöissä symboliikkaa liittyy niin korujen muotoihin, koristeaiheisiin kuin materiaaleihinkin. Luonnossa ja luonnosta elävälle pohjoisen kansalle eläimet ovat olleet tärkeitä. Rautakaudelta tunnetaan useita lintuaiheisia koruja. Koska linnut osasivat lentää, niiden uskottiin olevan sanansaattajia ihmisten ja jumalien välillä, kuljettavan viestejä maan ja tuonilmaisten välillä.
Vesilintuja pidettiin myös hedelmällisyyden symboleina, olihan kalevalaisessa mytologiassa koko maailmankaikkeus saanut alkunsa rauta- ja kultamunista, jotka sotka muni alkumeressä uineen Ilmattaren polvelle. Moniin muuten abstrakteihin koruihin saatettiin ripustaa selvästi tunnistettavia pronssista valettuja vesilinnun räpylöitä hedelmällisyyttä loitsimaan. Samalla räpylöiden helinä piti loitolla pahat henget ja ajatukset.
Helmikuussa 2024 julkistettu Taikalintu-amuletti perustuu viikinkiaikaiseen lintukoruun, joka on löydetty Tampereen seudulta. Pesänsä suojasta Taikalintu laulaa kantajalleen iloa ja uskoa onnelliseen huomiseen.
フィンランドで発掘された前史時代のジュエリーに見られるシンボリズムは、その形や装飾のテーマだけでなく素材にも関連づけられています。 北の大自然の中に生きる人々にとって、動物がとても重要な存在だったことはごく当然のことでした。 鉄器時代はまた、鳥をモチーフとしたジュエリーが多くあることで知られています。鳥には空を飛ぶ能力があることから、人間と神との間の伝達役、この世と死後の世界との間のメッセージを運ぶものと信じられていたのです。
水鳥は子宝や繁殖のシンボルともされ、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」の中でも、この世のすべては、大気の娘イルマタルのひざもとに泳ぎついたカモが原始の海に産んだ鉄と金の卵から生まれたとされています。抽象的なデザインの装飾品にもはっきりとわかる形で水鳥の水かきをブロンズで鋳込むなど、繁殖繁栄への祈りを表現したものもあります。また水かきの音も、邪悪な霊や考えを遠ざけるとされていました。
このほかにも古代フィンランドで使われたジュエリーには、動物を形どったもの、例えば、ヘビ、ヘラジカ、オオカミ、光と健康をもたらすとされた馬などのモチーフがあり、そしてもちろん森の王者とされるクマは力と賢さのシンボルです。民族叙事詩「カレワラ」によると、クマは松の木の女神ホンガタルの息子で、北斗七星(おおぐま座)の肩の上で生まれたとされています。カレワラの最初期のジュエリーデザインにも、クマが頭を前足に載せた様子が表現された幅広のブレスレットがありました。アムレッティシリーズのPohjankarhu(ポホンカルフ)には、その同じクマの頭がデザインされています。
カレワラのジュエリーを身にまとうとき、あなたは時代をさかのぼり、世代、物語、信仰を超えたつながりの一部になります
よりエキゾチックな動物をモチーフにしたジュエリーも北欧の各地で見られます。1887年、フィンランド南西部サロ市のハリッコという町にあるヨエンスー・マナー・ハウスで、春先の耕しはじめの農作業中に発掘された中世初期のシルバー装飾品は、十字のチェーン飾りに聖遺物を入れる丸いケースの付いたものでした。ケースの蓋には、貴重な中身を守るように精悍で立派な立髪をもった獅子の装飾が施されていました。獅子のデザインはカレワラの60周年記念ジュエリーシリーズのテーマにも選ばれました。Aurinkoleijona(アウリンコレイヨナ/太陽の獅子)と名付けられたその記念シリーズは現在、ブロンズ、シルバー、ゴールドのアムレッティネックレスとしてカレワラのジュエリーコレクションに加わっています。Aurinkoleijonaを身につけること、それはライオンのようなパワーと勇気を身にまとうことなのです。
Suomalaisille nauhapunoksista tunnetuin lienee hannunvaakuna eli solmuristi, ikivanha pahalta suojeleva symboli.
さまざまな結び目や編み込みリボンの文様もまた鉄器時代のジュエリーの人気モチーフでした。結び目模様は、忠誠、連帯、愛をシンボライズしたもので、無限に続くリボンと複雑な編み込みもまた、時間と世界の万物の永遠性を象徴しています。フィンランド人にとって一番有名な編み込みリボンのデザインはハンヌンヴァークナという編み十字の紋様で、非常に古くからある邪悪から身を護るシンボルです。ハンヌンヴァークナという名前はキリスト教の「洗礼者ヨハネ」の名にちなむものですが、紋様の起源自体はキリスト教の伝来以前にさかのぼります。ハンヌンヴァークナの形は、北欧各国では観光スポットを示す道路標識のマークとして使われています。ユーロ導入以前のフィンランドを知っている方ならポケットの中でチャリンと音を立てていた旧5ペンニ硬貨のデザインだったことも覚えているでしょう。世界的にはMacコンピュータのコマンドキーのマークとしても知られています。カレワラのジュエリーデザインとしは、1937年に披露された一番最初のコレクションから既にハンヌンヴァークナのテーマが使われていて、最近でもハンヌンヴァークナをデザインしたアムレッティネックレスが発売されています。
古くからカレワラのジュエリーコレクションにあるリボン編み紋様としては、フィンランド語ではOsmansolmu(オスマンソルム)と呼ばれるタークスヘッドノット(セーラーノット)模様のものと、船乗りが使う本結びをあしらったTeljänneito(テルヤンネイト)があります。この他にも鉄器時代に一般的な装飾シンボルとしては、牛の眼と呼ばれる丸い紋様やジュエリーの表面の浮き出し模様、突起などがありました。突起にどのようなシンボリズムが関係していたかは定かではありません。しかしヴァイキング時代の中世フィンランドの装飾品にそのシンボルが使われていたということは、そのデザインに魅了された当時の人々がフィンランドの地で作ったものと言って良いでしょう。
さまざまな金属素材の相対的な価値は、その金属自体がどのように認知されているかで決まります。貴金属で作られたジュエリーには地位や財の大きさが表現されますが、金属素材にも何か別のシンボリズムが込められているかもしれません。興味深い例として、中世のサーミ人が品位証明ホールマーク刻印のあるような高級シルバーには、何か特別な力が宿っていると信じていたことがあげられます。 マーヒネンという地底に住む小さな妖怪のようなエルフが大切な人間の赤ちゃんを自分の子とすり替えてしまわないように、ゆりかごにシルバーのボタンペンダントを縫い付けたというのです。これはマーヒネンは高級なシルバーなど持っていないと信じられていたことに由来します。
カレワラのジュエリーを身にまとうとき、あなたは時代をさかのぼり、世代、物語、信仰を超えたつながりの一部になります。ジュエリーの魔法、それが今のこの時代にも生き続けていることに、あなたも気づくかもしれません。
Amuletti
Kultaseppä ja korumuotoilija Lina Simons on suunnitellut Amuletti-sarjan. Lina kertoo mielenkiintoisessa artikkelissa Amulettien syntyprosessista ja omasta muotoilufilosofiastaan.
Written by: Mari Kotka & Ville Jokela